電気設備の保守や年次保安検査において、断路器への「短絡接地器具」の正確な取付位置は、安全確保の鍵となります。適切な取付位置を理解し、正しく設置することで、誤送電時のリスクを大幅に軽減できます。本記事では、断路器への短絡接地器具の具体的な取付位置について、詳細に解説します。
短絡接地器具の基本構造
短絡接地器具は、以下の主要部分で構成されています:
- 三相を挟み込む金属部:断路器の三相ケーブルをしっかりと固定する部分。
- ケーブル:各金属部を接続し、電流を地面に逃がす役割を果たします。
- 接地側の金属部:地面に接続するための部分。
- 接続ケーブル:三本の金属部と接地側金属部をつなぐケーブル。
これらの構成要素を正確に理解することで、取付位置の選定が容易になります。
断路器への取付位置
1. 取付位置の選定基準
短絡接地器具を断路器に取り付ける際には、以下の基準を基に位置を選定します:
- アクセスの容易さ:作業中に迅速かつ安全にアクセスできる位置。
- 固定の安定性:器具が確実に固定され、振動や衝撃に強い位置。
- 安全距離の確保:他の機器や導体から適切な距離を保つ位置。
2. 具体的な取付位置
断路器への短絡接地器具の具体的な取付位置は、以下の手順で決定します。
a. ディスコン(遮断器)の電源側
短絡接地器具は、開放されたディスコンの電源側に取り付けます。具体的には、ディスコンの電源入力端子付近が最適な位置です。この位置に取り付けることで、誤って送電が発生した場合でも、即座に電流を地面に逃がすことが可能です。
b. 三相ケーブルの配置
三相ケーブルが断路器に接続されている部分を確認し、短絡接地器具の三相を挟み込む金属部をケーブルに確実に固定します。ケーブルがしっかりと挟み込まれていることを確認し、接触不良がないようにします。
c. 接地側の配置
接地側の金属部は、断路器の近くで地面に接続できる位置に設置します。接地ケーブルは、断路器から地面まで短く引き、余分な長さがないように配置します。これにより、電流が迅速かつ効率的に地面に逃がされます。
3. 取付手順
具体的な取付手順は以下の通りです:
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準備作業:
- 作業前に断路器の電源を完全に遮断し、絶縁具を装着します。
- 必要な工具と短絡接地器具を準備します。
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三相を挟み込む金属部の固定:
- 断路器の電源側にある三相ケーブルを短絡接地器具の三相金属部にしっかりと挟み込みます。
- ケーブルが確実に固定されていることを確認します。
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接地側の金属部の接続:
- 接地側の金属部を地面に接続可能な位置に配置します。
- 接地ケーブルを金属部に接続し、しっかりと固定します。
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ケーブルの接続:
- 三本の金属部と接地側金属部を接続するケーブルを確実に取り付けます。
- ケーブルの結束が緩んでいないか確認し、電流の漏れがないようにします。
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検電と確認:
- 取付け前に必ずディスコンの電源側で検電を行い、無電圧であることを確認します。
- 短絡接地器具の取り付け後、「接地中」の札を取り付け、接地が完了したことを表示します。
取付位置における注意点
1. 安全装備の着用
短絡接地器具を取り付ける際は、必ず電気用ゴム手袋を着用し、感電防止対策を徹底します。また、作業中は絶縁工具を使用し、他の電気設備との接触を避けることが重要です。
2. 固定の確実性
短絡接地器具がしっかりと固定されていないと、作業中の振動や衝撃で外れる可能性があります。固定部分を定期的に点検し、緩みがないか確認しましょう。
3. 接地ケーブルの管理
接地ケーブルが適切に配置されていないと、電流が正しく地面に逃げない恐れがあります。ケーブルは短く、余分な長さがないように整理し、障害物や高温部分から遠ざけて配置します。
まとめ
断路器への短絡接地器具の正確な取付位置は、電気保安検査や保守作業の安全性を大きく左右します。電源側に確実に取り付け、三相ケーブルと接地ケーブルの接続を慎重に行うことで、作業中のリスクを最小限に抑えることができます。安全装備の着用や固定の確実性、接地ケーブルの適切な管理など、細部にわたる注意が必要です。これらのポイントを押さえ、電気設備の保守作業を安全かつ効率的に行いましょう。
正確な取付位置と手順を理解することで、断路器への短絡接地器具の効果を最大限に引き出し、作業者の安全を確保することが可能です。電気保安検査の際には、この記事で紹介したポイントを参考に、安全第一で作業を進めてください。
Q&A
Q1: 短絡接地器具を取り付ける際に、どのような安全装備を着用する必要がありますか?
A1: 短絡接地器具を取り付ける際には、必ず電気用ゴム手袋を着用してください。これにより感電のリスクを大幅に低減できます。また、絶縁工具や適切な保護具(例えば絶縁靴)を使用することで、さらに安全性を高めることができます。作業環境によっては、ゴーグルや絶縁マットの使用も推奨されます。
Q2: 短絡接地器具を取り付ける正しい順序は何ですか?
A2: 短絡接地器具を取り付ける際の正しい順序は、以下の通りです。
- 接地側の金属部をまず取り付けます。
- その後、電源側に三相金属部を挟み込みます。 この順序を守ることで、残留電荷が存在する場合でも、安全に電流を地面に逃がすことができます。復電時には、取り付け時の逆順で器具を取り外します。
Q3: 作業後に短絡接地器具を外し忘れた場合、どのようなリスクがありますか?
A3: 作業後に短絡接地器具を外し忘れた場合、復電時に地絡事故を引き起こすリスクがあります。これは、誤って大地に電流が流れ続けることになり、機器の損傷やさらなる安全リスクを招く可能性があります。作業終了後には、必ず短絡接地器具を取り外し、「接地中」の札も忘れずに回収することが重要です。




