電気設備の安全性と信頼性を確保するためには、変圧器の保護装置に関する理解が重要です。この記事では、電気設備技術基準・省令44条に基づき、変圧器に適切な保護装置を施設する必要性や方法について詳細に解説します。
Contents
1. 省令44条の主旨
省令44条では、特別高圧の変圧器が著しい損壊のおそれがある場合、または、一般電気事業に係る電気の供給に著しい支障を及ぼす可能性がある異常が発生した場合、自動的に変圧器を電路から遮断する装置の施設や他の適切な措置が必要とされています。この規定の目的は、大容量の変圧器が内部故障した場合に、供給支障を防ぎ、機器の著しい損傷を防止することです。
2. 変圧器の保護装置の基準
- バンク容量が5000[kV・A]以上、10000[kV・A]未満の場合には、自動遮断装置または警報装置を施設する。
- バンク容量が10000[kV・A]以上の場合は、自動遮断装置を施設する。
3. 電気的保護
電気的保護装置として、比率差動継電器が取り付けられます。正常時には、CT二次回路の電流i1, i2はi1=i2となり、抑制コイルには電流が流れますが、動作コイルには流れません。しかし、変圧器内部で故障が発生すると、i1≠i2となって、i1-i2の電流が動作コイルに流れ、継電器を作動させます。
4. 機械的保護
変圧器の容量が大きくなると、内部の油量も多くなり、事故の波及の影響も大きいので、機器を著しく損傷する前に遮断する必要があります。そのため、ブッフホルツ継電器や衝撃油圧継電器などの機械的保護装置も設置されます。
まとめ
省令44条によれば、特別高圧の変圧器には、供給支障を防ぎ、機器の著しい損傷を防止するための保護装置の施設が必要です。変圧器のバンク容量によって、施設すべき保護装置の種類が異なります。これらの保護装置には、電気的保護と機械的保護の二種類があり、それぞれ異なる保護機能を果たします。適切な保護装置を施設することで、電気設備の安全性と信頼性を高めることができます。
Q&A
Q1: 省令44条はどのような変圧器に適用されますか?
A:省令44条は特別高圧の変圧器に適用されます。これは、電気事業に係る電気の供給に著しい支障を及ぼす可能性がある場合や、機械器具に著しい損壊のおそれがある場合、自動的に変圧器を電路から遮断する装置の施設や他の適切な措置が必要とされています。
Q2: 変圧器のバンク容量が5000[kV・A]以上10000[kV・A]未満の場合、どのような保護装置が必要ですか?
A:変圧器のバンク容量が5000[kV・A]以上10000[kV・A]未満の場合、自動遮断装置または警報装置を施設する必要があります。これは、内部故障が起きた際の保護装置として機能します。
Q3: 電気的保護と機械的保護の違いは何ですか?
A:電気的保護は、比率差動継電器を利用し、変圧器内部での故障を検知して動作する保護装置です。一方、機械的保護は、ブッフホルッ継電器や衝撃油圧継電器などを利用し、変圧器内部の異常による損傷や事故の波及を防ぐ装置です。




