変圧器は、電力システムの中で重要な役割を果たしますが、複数の変圧器を並行して運転する際、特定の条件下で循環電流が流れることがあります。この記事では、変圧器の並行運転における循環電流について詳しく解説し、その対策についても触れます。
Contents
1. 変圧器の並行運転と循環電流
変圧器の並行運転には特定の条件が必要ですが、循環電流に関連する主要な条件は二つ、すなわち極性と巻数比です。これらの条件が満たされない場合、循環電流が流れて変圧器に損傷を与える可能性があります。
2. 極性
極性には、減極性と加極性が存在します。極性が異なる変圧器を並列接続すると、二次側で大きな電圧が巻線に加わり、結果として大きな循環電流が流れます。これが変圧器を焼損する原因となりえます。しかし、日本においては、加極性の変圧器はほとんど製造されておらず、主に減極性の変圧器が利用されているため、極性の問題はまれです。それでも、知識として理解しておくことが重要です。
3. 巻数比
巻数比が異なる変圧器を並行運転すると、二次誘導起電力に差異が生じます。例えば、E2aがE2bよりも大きい場合、電圧差(E2a-E2b) [V]が生じ、巻線にこの電圧が加わり、循環電流が流れることになります。これにより変圧器が過熱し、損傷する可能性があります。
4. 並行運転の対策
並行運転を前提として変圧器を設置する場合、同じ仕様の変圧器を使用すれば問題はありません。しかし、現場での仮設や応急的な対応が必要な場合、手元にある変圧器を使用せざるを得ないことがあります。このような場合には、極性や巻数比の違いに注意しなければなりません。
まとめ
変圧器の並行運転においては、極性と巻数比の違いからくる循環電流に注意する必要があります。特に、異なる仕様の変圧器を並行に運転する場合は慎重に検討し、正しい知識と理解をもって取り組むべきです。日本においては、極性に関する問題は少ないものの、知識として正しく理解し、変圧器の適切な運転を心掛けることが重要です。
Q&A
Q1: 変圧器の並行運転で注意すべき主要な条件は何ですか?
A:変圧器の並行運転で特に注意すべきは「極性」と「巻数比」の2つの条件です。これらが一致しない場合、循環電流が発生し、変圧器に損傷を与える可能性があります。
Q2: 日本において、変圧器の極性で問題が発生することはありますか?
A:日本では、変圧器のほとんどが減極性で製造されており、加極性の変圧器はほとんど製作されていないため、極性の相違による問題は非常にまれです。ただし、基礎知識として極性について理解しておくことは重要です。
Q3: 並行運転する変圧器の巻数比が異なるとどのような問題が発生しますか?
A:並行運転する変圧器の巻数比が異なると、二次誘導起電力に差異が出ます。この結果、電圧差が発生し、巻線に循環電流が流れることになります。これが原因で変圧器が過熱し、焼損する危険があります。




