油入変圧器は、高い絶縁耐力を持つことが特長であり、鉄心に一次・二次巻線が巻かれ、外部との間は絶縁油で満たされています。しかし、この絶縁油には「呼吸作用」と呼ばれる現象があり、劣化の問題が生じます。今回は、油入変圧器の絶縁油の管理方法とその重要性について詳しく解説します。
Contents
呼吸作用とは?
呼吸作用とは、変圧器の負荷変動により内部の油や空気が膨張・収縮することで、変圧器内部の圧力と大気圧との間に差が生じ、空気が変圧器内に出入りする現象です。このため、絶縁油が劣化しやすくなり、絶縁耐力が低下することがあります。
絶縁油の年次点検の重要性
絶縁油の状態を常に良好に保つためには、年次点検が欠かせません。点検の際には、絶縁油を採取して検査し、その良否を判定する必要があります。これにより、変圧器の安全性と信頼性を維持できます。
絶縁油の採取方法
- 変圧器上部の蓋を取り外す:これにより、内部の絶縁油にアクセスできます。
- ポリ容器に入れる:複数の変圧器がある場合、間違いを防ぐために容器ごとに相数、容量、ナンバーなどを記入します。
簡易検査方法
採取した絶縁油の良否を簡易的に判定する方法として、容器に試薬を入れ、その色を比色板と見比べる方法があります。この方法は、変圧器の絶縁抵抗が明らかに悪い数値を示した場合に即座に判定できます。
具体例
ある施設の変圧器では、呼吸作用が激しく絶縁状態が悪化していました。このため、簡易検査を行ったところ、試薬を入れるとすぐに色が変化しました。そこで、停電可能な日時を見極め、後日油交換を実施しました。
精密検査方法
より精密な検査として、絶縁破壊電圧試験法があります。この方法では、採取した絶縁油をカップに入れ、徐々に印加電圧を上げていき、その破壊電圧値により絶縁油の状態を判定します。
まとめ
油入変圧器の絶縁油は、定期的な検査と管理が必要不可欠です。呼吸作用による劣化を防ぐためには、年次点検で絶縁油を適切に管理し、その劣化状態を把握しておくことが重要です。これにより、変圧器の安全性と信頼性を長期間にわたり維持することが可能となります。
Q&A
Q1: 油入変圧器の絶縁油の「呼吸作用」とは何ですか?
A: 油入変圧器の「呼吸作用」とは、変圧器の負荷変動によって内部の油や空気が膨張・収縮する現象です。この動きにより変圧器内部の圧力と大気圧の間に差が生じ、外部の空気が変圧器内に出入りすることになります。この「呼吸作用」によって絶縁油が酸化しやすくなり、劣化が進行するため、定期的な管理と点検が必要です。
Q2: 油入変圧器の絶縁油の劣化を防ぐためにはどのような対策が必要ですか?
A: 油入変圧器の絶縁油の劣化を防ぐためには、以下の対策が必要です:
- 年次点検の実施:絶縁油を定期的に採取して検査し、その状態を確認します。
- 簡易検査:試薬を使用して絶縁油の劣化状態を即座に判断し、必要に応じて対策を講じます。
- 精密検査:絶縁破壊電圧試験法を用いて、絶縁油の品質を詳細に評価します。
- 適切な油交換:劣化が進んだ場合は、停電可能なタイミングを見極めて油交換を実施します。
Q3: 絶縁油の簡易検査方法とはどのようなものですか?
A: 絶縁油の簡易検査方法としては、次の手順が一般的です:
- 絶縁油を採取:変圧器上部の蓋を取り外し、絶縁油をポリ容器に入れます。複数の変圧器がある場合は、間違いを防ぐために容器ごとに相数、容量、ナンバーなどを記入します。
- 試薬を使用:採取した絶縁油に試薬を加え、その色の変化を比色板と比較します。変圧器の絶縁抵抗が悪い数値を示した場合に、この方法で即座に絶縁油の劣化状態を判定することができます。




