米国株の個別成長株に長期で投資していると、どうしても悩むのが
「このまま持ち続けていいのか」
「夢枠として残すべき銘柄と、修正すべき銘柄はどれか」
という点です。
今回は、私が夢枠として注目している
LUNR、RXRX、SOUN、PL、QS、IONQ、MARA、ACMR
に加えて、投資信託の FANG+ についても、現状・将来性・長期投資先としての評価を整理します。
結論から言うと、2026年3月時点では、夢枠の個別株は全面撤退は不要ですが、数字が出始めている銘柄へ寄せる修正は有効だと考えています。また、FANG+は「安定資産」ではないものの、大型テック集中の長期成長商品としてはかなり有力です。

Contents
結論:いまの夢枠は“整理”が必要
私の現時点の整理は、次のとおりです。
| 評価 | 銘柄 |
|---|---|
| 継続強め | PL / LUNR / IONQ / ACMR |
| 中位維持 | SOUN |
| 小さく保有 | RXRX |
| 見直し候補 | QS / MARA |
理由はシンプルで、将来の夢が大きいことと、実際に売上や受注、資金面の裏付けがあることは別だからです。今は「テーマ性だけで持つ」より、受注残・売上成長・資金力が確認できる銘柄を上位に置く方が長期投資としては納得感が高いと感じます。
夢枠8銘柄の現状と将来性
| 銘柄 | 分野 | 直近株価 | 足元の現状 | 将来性 | 主な懸念 | 夢枠評価 | 私の見立て |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| LUNR | 宇宙・月面開発 | 17.83 | 2026年売上見通し 9億~10億ドル、バックログ 9億ドル超、調整後EBITDA黒字見通し | 宇宙インフラ・政府案件拡大で大きい | 案件依存、業績変動が大きい | 高 | 継続強め |
| RXRX | AI創薬 | 3.25 | 2025年売上 7,470万ドル、一方で純損失 6.45億ドル | AI創薬が本格化すれば大化け余地あり | 商業化まで遠い、赤字重い | 中 | 小さく保有 |
| SOUN | 音声AI | 6.55 | 2025年売上 1.69億ドル、2026年見通し 2.25~2.60億ドル | 音声AI普及で成長余地あり | 利益未確立、期待先行で値動き大 | 中の上 | 中位維持 |
| PL | 衛星画像・防衛 | 33.83 | Q4売上 8,680万ドル(+41%)、通期売上 3.08億ドル、バックログ 9億ドル | 防衛・政府・AI解析でかなり有望 | 短期の株価過熱感 | 高 | 継続強め |
| QS | 全固体電池 | 6.59 | 技術進展はあるが本格量産前 | 成功すれば非常に大きい | 商業化まで長い、量産不確実 | 中の下 | 見直し候補 |
| IONQ | 量子計算 | 31.20 | 2025年売上 1.30億ドル(+202%)、現金等 33億ドル | 量子本命候補の一角 | 期待が先行、値動きかなり大きい | 高 | 継続強め |
| MARA | ビットコイン採掘 | 8.46 | 保有BTC 53,822 BTC、業績はBTC価格影響が大きい | BTC強気相場なら上振れ余地大 | 企業成長よりBTC相場依存 | 中の下 | 縮小候補 |
| ACMR | 半導体装置 | 43.55 | 2026年売上見通し 10.8~11.75億ドル | 実需が見えやすく着実成長型 | 中国比率・地政学リスク | 高 | 継続強め |
強めに残したい
| 銘柄 | 理由 |
|---|---|
| PL | 売上成長・バックログ・防衛需要が強い |
| LUNR | 宇宙テーマの中でも受注と見通しが強い |
| IONQ | 量子の本命候補で、売上と資金力が目立つ |
| ACMR | 半導体実需があり、夢枠の中では安定感がある |
持っていてよいが比率は抑えたい
| 銘柄 | 理由 |
|---|---|
| SOUN | 成長は良いが、まだ期待先行の面がある |
| RXRX | 面白いが、実際の収益化まで時間がかかる |
修正候補
| 銘柄 | 理由 |
|---|---|
| QS | 技術は魅力だが、量産まで遠い |
| MARA | ほぼBTC相場への賭けに近い |
LUNR(Intuitive Machines)
LUNRは、宇宙テーマの中でもかなり面白い銘柄です。2025年通期決算では、2026年売上見通しを9億~10億ドル、2月末時点のバックログを約9.43億ドル、さらに2026年はAdjusted EBITDA黒字見通しとしています。月面開発の夢だけでなく、国家安全保障や衛星通信など、事業領域の広がりも出てきました。
一方で、案件依存度が高く、四半期ごとの数字のブレは大きいです。それでも、宇宙関連株の中では「夢だけ」で終わっていない印象が強く、夢枠として継続強めでよい銘柄だと見ています。
RXRX(Recursion)
RXRXはAI創薬という非常に大きなテーマを持っています。2025年の売上は7,470万ドルまで伸びましたが、売上の中心は提携収入で、2025年の純損失は6.448億ドルと赤字負担はかなり重いです。ただし、現金・現金同等物は約7.54億ドルあり、会社側は追加増資なしで2028年初めまでのランウェイを見込んでいます。
AI創薬が本格的に花開けば大化け余地はありますが、商業化の時間軸はまだ長いです。夢枠としてゼロにする必要はないものの、比率を大きくしすぎない方がよい銘柄だと考えています。
SOUN(SoundHound AI)
SOUNは、音声AIの本命候補のひとつです。2025年の年間売上は1.69億ドル、2026年の売上見通しは2.25億~2.60億ドルで、成長率としてはかなり優秀です。さらに、2025年末時点で現金248百万ドル・無借金という点も安心材料です。
ただし、利益面はまだ弱く、期待先行で株価が大きく振れやすい銘柄でもあります。将来性は高いですが、夢枠全体の中では中位維持くらいがちょうどいい印象です。
PL(Planet Labs)
PLは、今回の中でもかなり評価が高い銘柄です。直近決算では、四半期売上が8,680万ドルで前年比41%増、通期売上が3.077億ドルで26%増、バックログは約9.00億ドルまで拡大しました。さらに、通期でAdjusted EBITDA黒字化を達成し、2027年度の売上見通しも4.15億~4.40億ドルと強めです。
衛星画像、防衛、政府需要、AI解析という複数の成長テーマを持ちながら、数字もついてきているのが強みです。短期では株価過熱感もありますが、夢枠の主力候補としてかなり有望だと思います。
QS(QuantumScape)
QSは全固体電池という非常に魅力的なテーマを持っています。2025年はEagle Lineなど量産化に向けた進展があり、2025年末時点の流動性は9.708億ドルと資金面もすぐに危ないわけではありません。
ただし、最大の問題は商業化までの距離です。技術が成功しても、それが売上・利益・株主リターンに結びつくまでにはまだ時間がかかります。夢枠として完全に切るほどではないものの、見直し候補に入る銘柄だと感じます。
IONQ(IonQ)
IONQは、量子コンピュータ関連の中ではかなり有力です。2025年の年間売上は1.30億ドルで前年比202%増、2026年の売上見通しは2.25億~2.45億ドル、さらに現金・現金同等物・投資は33億ドルと、資金力が非常に厚いのが特徴です。
量子分野自体はまだ普及初期ですが、IONQは売上・案件・資金面で一歩抜けています。ボラティリティは高いものの、夢枠として継続強めでよい銘柄だと思います。
MARA(MARA Holdings)
MARAは、企業としての成長株というより、かなりビットコイン相場連動色の強い銘柄です。2025年末時点で53,822BTCを保有している一方、会社の開示では、2025年Q4から2026年Q1にかけてのBTC価格急落が設備評価や収益性に大きな影響を与えたと説明されています。
BTC強気相場が来れば上振れ余地はありますが、それは事業成長というより暗号資産市況への賭けに近いです。米国成長株の夢枠として整理するなら、縮小候補という見方が自然です。
ACMR(ACM Research)
ACMRは、半導体装置の中小型成長株としてかなり魅力があります。2026年の売上見通しは10.8億~11.75億ドルで、会社側は前年比21~30%成長を想定しています。加えて、先端パッケージや洗浄装置など、今後も需要が見込める分野を持っています。
地政学リスクや中国比率の懸念はあるものの、夢枠の中では比較的「数字で評価しやすい」タイプです。爆発力だけでなく実需もあるので、継続強めの中核候補に入れてよいと思います。
FANG+の現状と評価
ここからは、投資信託の FANG+ について整理します。
FANG+は、NYSE FANG+指数に連動する商品で、大型グロース10銘柄をほぼ均等ウェートで保有する指数です。2026年3月時点の構成は、NVIDIA、Alphabet、Netflix、Broadcom、Amazon、Meta、Apple、CrowdStrike、Palantir、Microsoft で、四半期ごとに見直しとリバランスが行われます。つまり、単なる昔のFAANGではなく、その時点の勝ち組大型テックを等ウェートで持つ仕組みです。
日本で代表的な投資信託である iFreeNEXT FANG+インデックス は、2026年3月19日時点で基準価額78,757円、純資産総額1兆141.76億円です。期間別騰落率は**1年+30.70%、3年+196.47%、5年+219.55%、設定来+687.57%**と、長期では非常に強い実績を持っています。
FANG+の魅力は、米国株市場の中でも特に成長力の高い大型テックへ集中できる点です。AI、半導体、クラウド、広告、セキュリティ、プラットフォーム企業など、デジタル経済の中核を握る企業群をまとめて持てるのは大きな強みです。指数自体が定期的に入れ替わるため、固定メンバーを永久に抱えるよりも、時代の変化に対応しやすい構造になっています。
一方で、FANG+は「安全資産」ではありません。銘柄数は10しかなく、実質的には大型テック集中なので、金利上昇局面やグロース株逆風局面では大きく下がることもあります。実際、iFreeNEXT FANG+インデックスの直近騰落率は、**3か月-4.75%、6か月-3.77%**と、短期では普通に調整しています。
コスト面では、楽天証券の表示ベースで**運用管理費用(信託報酬)は税込0.7755%**です。S&P500やオルカンの超低コスト投信と比べると高めですが、FANG+は「市場全体」ではなく「大型テックの高成長」に絞っているため、コストの意味合いも少し違います。
私の評価としては、FANG+は
「長期で持てる攻めの大型テック商品」
です。
S&P500のようなコア資産より値動きは大きいですが、米国大型テックの成長が今後も続くと考えるなら、長期投資先として十分魅力があります。特に、個別株ほどの管理負担をかけずに、成長テーマへ乗りたい人にはかなり相性が良い商品です。
分かりやすい比較表
| 項目 | FANG+ | あなたの個別夢枠 |
|---|---|---|
| 中身 | 大型グロース10銘柄に集中 | 中小型・新興テーマ株が中心 |
| 分散 | 10銘柄に自動分散 | 自分で管理が必要 |
| 爆発力 | 高いが個別株よりは抑えめ | 当たれば非常に大きい |
| 失敗リスク | 個別より低い | かなり高い |
| 値動き | S&P500より大きい | もっと大きい |
| 継続のしやすさ | かなり高い | メンタル負担が大きい |
| 手間 | ほぼ不要 | 銘柄ごとの監視が必要 |
| コスト | 信託報酬0.7755%は高め | 売買コスト中心 |
2026年3月時点での私の最終判断
2026年3月時点での私の整理は、次の通りです。
- 夢枠の主力候補
PL、LUNR、IONQ、ACMR - 保有継続だが比率は控えめ
SOUN、RXRX - 見直し候補
QS、MARA - 投資信託としての高評価枠
FANG+
ポイントは、
「夢が大きい銘柄」よりも、「夢が売上や受注に変わり始めている銘柄」を重視すること
です。
テーマ性だけで持つと、数年単位で資金が寝るリスクがあります。逆に、数字が出始めている銘柄や、FANG+のように勝ち組大型テックへまとめて投資できる商品は、長期投資でも握りやすさがあります。
まとめ
米国株の夢枠は、やみくもに銘柄数を増やすより、
「どこに実需が出ているか」
「どこに資金力があるか」
「どこが5年後も生き残っていそうか」
で整理するのが大事だと感じています。
今回見た中では、PL、LUNR、IONQ、ACMRは比較的評価しやすく、逆にQSやMARAは夢はあるものの、現時点では慎重に見たい銘柄です。FANG+は、米国大型テックの成長を信じるなら、長期投資先としてかなり魅力的です。
米国株の夢枠で悩んでいる人は、ぜひ一度、
「テーマ性」ではなく「数字」で棚卸しすること
をおすすめします。




